世界の斜陽から

旅ブロ ADHD 元売人 時々四つん這い be動詞と出会った24の夏 自転車 船 鉄道 飛行機 野営 なんでも可 終わりなき道程と 果てしなき世界の歪(ひず)みに 斜めに映る この眼差しから思いを込めて

屋久島 〜白谷雲水峡を目指して編〜

宿を出て、屋久島空港から最寄りのバス停でバスを待っていると、一人また一人とザックを背中に背負ったハイカー達が集まってきた

水底まで見通せる清流の脇に立つバス停で乗り換え、本日の目的地である終点「白谷雲水峡」まで向かう、年間を通しても降水量が多い屋久島ではひと月の全日が雨に見舞われるのも珍しくなく、昨日から続く不安定な天気は雲水峡に着いても変わらないでいた

登山口が口を開けて待っていた。 さしたる威厳も無ければ、その先に待ち受ける神々しい風景の片鱗すらも、ここからでは感じ得ることはない 入山の申請書に筆を入れ、管理局の事務員から注意事項が読み上げられる。

あくまでも先延ばしになったロケット打ち上げ故の、屋久島巡業であるからして 尾張無頓着協議会の次長を務める、このわたくしが、フィールドに適したマストな登山用具を用意するつもりなど毛頭なく 前日からお世話になっているライダーズハウスに過去、置き忘れられていた雨合羽と長靴を拝借した次第であり

息巻く登山者を朝青龍顔負けの、切れ長な流し目を充てながら 心根ではほくそ笑んでいたのだ

次の章に続きます