中国 〜ラオス蒼氓・昆明吟遊編 第2章〜
籠に詰め込まれた鶏や 食用のガチョウなどが己の末路を悟ってか、サイドトランクの軒先で一斉にが鳴り立てていた ヴィエンチャンの中心から車で15分ほど行った場所にあるバスターミナルに僕は立っている
それとゆうのも、あのシベリアンダンディの提案がこれから始まる悪夢に繋がるなんて 初めての寝台バスなんてものにはしゃいでいた出発前が、この日記を回想している僕からみても、浅ましい判断だと今更ながらに思うのだ
旅の恥は掻き捨てと言われているが、 旅を終えて、あの場所に置いてきた後悔はさていかがなものだろうか? こうやって書き記すことにより その当時感じていた火照りや、憤りを和らげてくれるのであれば 原型を見失うまで咀嚼をし 骨抜きにした後悔に納得が行く結末を事実に添えるかのように、 書き加えれば済んでしまうのだが ”そうは行かないよ”なんてこれからの旅路で囁かれそうだから.今回は止めておこう
さて、話を本編に戻すと ラオスの首都であるヴィエンチャンから出発したバスは複雑に入り組んだ山岳地帯を抜けて、中国との国境である磨憨(もーはん)を通り、 雲南省の州都である昆明(くんみん)を目指す
出発前のチェックではパスポートを求められなかったので、コントロールオフィスや検問に差し掛かるまでは僕が日本人であることを黙っておくことにしていたのだが
同シリーズ 第3章に続く