世界の斜陽から

旅ブロ ADHD 元売人 時々四つん這い be動詞と出会った24の夏 自転車 船 鉄道 飛行機 野営 なんでも可 終わりなき道程と 果てしなき世界の歪(ひず)みに 斜めに映る この眼差しから思いを込めて

中国 〜ラオス蒼氓・昆明吟遊編(改訂版)〜

打ち付けのコンクリを背にしながら 南北戦争を舞台にした映画で使われていたかの風貌な 所々が赤錆びたマットレスに寄っ掛かっていた

数々のストゥーパが立ち並ぶ 今や一大観光地となりつつある遺跡群を擁する街バガンでの 最低な安宿から始まる話だ

街中を幾ら探してみても 5$以下の安宿にはありつけなかった それとゆうのも 初日から転がり込んだ宿では、部屋と呼べる代物は充てがわれず レセプションスペースの一角に 天井から吊るされたナイロンカーテンで 間仕切りがされていて コンクリの上に 特に何を挟む様子もなく 湿気と埃が付着したマットレスが三つほど並べられていた

どんなに僕が 寝つきの悪い顔で朝のコーヒーをねだろうが 気にもしない女主人に 納得がいかなかったのだろう

遺跡観光の合間をぬって 何軒もの宿に聞いてはみたが 結局 僕を満たしてくれるあの宿以上の条件には出会わなかった

そんな僕を見兼ねてか 同じ宿に滞在していた 現地で知り合ったとゆう日本人二人組みには 大層 世話になった 一人は50代に差し掛かるであろうかと思われるサラリーマンで、 30年前は旅行先で手に入れたビールのラベルシールや海外航空券などをノートにファイリングしていた話を 僕を介して思い出との噛み合わせを 確かめるように聞かせてくれた

一方で、もうお一方は既に60年ほど前 シベリア鉄道で横断をかましていた強者で 70に差し迫るのではないかとゆう風貌に、真っ白な髪を後ろで束ね、英哲な目付きが印象的な旅人であった

バガンを出てからラオスに行くまではいいが、 その次の予定が曖昧であった僕に 例のシベリアンダンディから提案をされた

「どうせラオスまで行くのなら、マレーシアまで南下したってしょうがない。 冒険したいならヴィエンチャンから出てる昆明行きの国際バスに乗るといい、ルートは山道ばかりで片道に丸2日はかかるらしいけど」

「らしい?」

「私はまだ乗ったことがない。」

昆明はどの辺りになるんですか?」

雲南省だよ」

中国 〜ラオス蒼氓・昆明吟遊編・第2章〜 に続く