世界の斜陽から

旅ブロ ADHD 元売人 時々四つん這い be動詞と出会った24の夏 自転車 船 鉄道 飛行機 野営 なんでも可 終わりなき道程と 果てしなき世界の歪(ひず)みに 斜めに映る この眼差しから思いを込めて

インド 〜南インド・コーチン空港から〜

クアラルンプールを発ったコーチン行きエアアジアXXX便は乱気流に揉まれていた
その激しさはたまたま隣に居合わせた
群馬の自動車部品工場で出稼ぎをしていたため流暢な日本語が話せ
乱気流に遭遇する前から乱心気味であった僕への気遣いを欠かさないでいてくれた彼でさえも閉口するものであった

第二、第三の都市部から外れた一地方空港に過ぎないコーチンに着いたのは夜十二時を過ぎた頃だった
空港玄関を出ても敷地内にパブリックタクシーのデスクは無く
仕方なく重厚な熱帯夜の下
約40km離れた州都 ”エルナクラム” に向かうタクシーを拾うべく空港を後にした

フラミンゴか九官鳥だかのネオンライトを纏ったビルボードがある
怪しげなナイトクラブの脇道に
捉えにくいリズムに合わせて
ポツリ、ポツリとタクシーが止まっては客を乗せているのが遠巻きから見えた

しかしよく見れば
立ち止まるタクシーの中には客を乗せないまま出発してしまうものもいて
時間帯も考慮をすれば
旅をする上で身に付けた勘とゆうものを
頼る以前に
この目の前を行き交うドライバー達の法則が何を意味するのかを
ネオンライトから少し離れたところで模索していた

そんな矢先
先ほどまで止まっていた
イエローキャブ風の風体からはかけ離れた
日本で例えるなら軽のバンを更に縮小化したような車がやってきた
物珍しさも手伝ってか、僕は冷やかし半分でドライバーに声をかけてみた

インド 〜南インド・エルナクラムに向かう道から〜 に続く