インド 〜南インド・旅の始まり〜
3年前の夏
当時やりかけていた
事業とは、名ばかりのプロジェクトを放り投げ
決して飽きていた訳ではなかった仕事を辞めた
そんな折に
人生観を変えてくれると太鼓判を押されフラッと出向いて流れていたインド夜想曲をゆらゆらと...
ケーララ州の識字率は国内でもトップを誇るらしいと
そんな事前情報が
ヴァラナースィやデリーから沸き立つ喧騒を心なしか和らげているのだろうか。
アラビア海に沿って
張り巡らされたリアス式の海岸や折り重なった入江の中に淡水が入り混じることで
生じる無数のデルタ群
ケーララでは乾季の訪れと共に活況を呈する
ボートクルーズなどは
物乞いと法外なマージンを吹っかけたかる客引きや
路側帯だろうとなりふり構わず
排泄をかます 老牛なんかが
インドのイメージとしてあった僕に
情報でさえ少なかったものの
南インドの呼び名で親しまれていた
包括するにも曖昧にならざるを得ない
”その辺り一帯”は人生の辺境と呼ばれるインドが解き放つ
帯同染みたイメージには寄り添わないものであった
南インド 〜コーチン空港・初夜に続く〜